謝罪、懺悔、自責の念にとらわれた曲10選

2021年4月6日

謝罪、懺悔、自責の念

こんにちは、テラサキマサキです。

どうにもならない過去、現在、未来を前に、自らを責めるしかない人の歌をまとめてみました。

Gomenasai / t.A.T.u.

生放送歌番組ミュージックステーションの出演をドタキャンしたことに対して、謝罪の意を込めて作ったと言われている曲です。ドタキャンをした理由が何だったのかは定かではありませんが、あの一件から日本での「t.A.T.u.」人気は地に落ちて回復することはなかったように思います。いまだにあの一件が許せないっていう心が狭い人間っているんですかね。もはやネタとして扱って「t.A.T.u.」を聴かないという人が多いように思います。自分は「t.A.T.u.」が元々好きで、お金がなかった学生の頃、DVD付きのアルバムが新品で500円で買えたりして個人的には嬉しかった記憶があります。でも、今となっては好きなアーティストなだけに複雑な気持ちだったりします。曲自体とても良いですよね。この「Gomenasai」も前奏のピアノの旋律もキレイで、しっとり聴ける名曲だと思います。

夜が明けたら / きのこ帝国

暗い曲を歌わせると、とんでもない所まで墜ちていく佐藤千亜妃のバンド「きのこ帝国」の闇曲。この曲は実話を元に作られているのか分からないのですが、歌詞の奥行きがありすぎて色々と考えさせられてしまいます。「泣いていたあいつ」「笑っていたあの子」「罪を犯した君」「それを見ていた誰か」と、登場人物が4人存在するこの曲、最後は「夜が明けたら 許されるような気がして 生きていたいと 涙が出たのです」の部分は、復讐を止めることができなかった自分に対する自責なんだろうか。この曲が収録されているアルバム「渦になる」は、きのこ帝国のダークな曲が多く、自分の中でピカイチの鬱アルバムとして認定されています😀とても好きなアルバムなのでオススメです。

どうかそのまま / ヒグチアイ

きのこ帝国の「夜があけたら」に似た、縋りつくような歌い方で弱い自分を責めたストーリーが展開されていきます。極度の被害妄想、自己嫌悪からの逃避、顔向けのできない後悔と恐怖が詰め込まれています。別れる必要はなかった二人が、たった一回の失敗ですべてダメになってしまったと思いこんでゼロを望む破滅衝動。自分が酷い行為をすればするほど、自分が醜くなっていって嫌いになっていって、申し訳ない気持ちが強くなって優しい人から遠ざかりたくなる、そんな悲しい負の連鎖の歌です。

ごめんね / カネコアヤノ

YouTubeでオリジナルを探すことができなかったので、この弾き語りカバーを貼らせていただきます。アルバム「燦々」に収録されている曲ですが、アルバムの中でしばらくこの曲だけ好きになれませんでした。単純にカネコアヤノが「ごめんね ごめんね」と歌っているのがいい気持ちで聴いていられなかったんですよね。でも歌詞はとてもキレイで「電球に透けている君」とか表現がいいなぁって思います。純粋な気持ちで過ごしていたがゆえの気持ちのすれ違いを歌った曲なのかなぁ。

卑怯者 / タテタカコ

アルバム「裏界線」の最後に収録されている曲。美しいピアノの旋律とともに自分という人間の無力さを自問自答した末に出した悲しい結論を歌っていきます。それは見栄も虚勢も剥ぎ落されて丸裸にされた人間の懺悔のようです。この曲を聴いて思い起こされる状況は「余命宣告を受けた友人」でしょうか。日常に影に潜む悪魔に引きずり込まれた先の世界では何が見えるのでしょう。ただただ無力さを痛感するだけなのかもしれません。

明日からではなく / 小谷美紗子

ガガガSPがカバーをしていたこともあり、小谷美紗子を知らない人もこの曲を聴いたことがあるという人も多いかもしれません。この曲には3人の人物が登場しますね。なりたくもない教師になった先生。一瞬の笑いのために陰口を言う子ども。同じことの繰り返しにうんざりする駅員。それぞれが自分を見つめ直して周りに良い影響を与えられるように行動していく様子が歌われています。少しずつでもいいから前進していくことの大切を感じますね。

リテイク / 筋肉少女帯

アルバム「ステーシーの美術」に収録される曲。愛する人を守れなかった男の悲壮感漂う切ない語りが印象的です。歌詞に込められたリテイクという言葉がなんとも切ない。ラストは壮大な願いを込めた魂の叫びとともに締めくくられ、なんとも言えない喪失感を感じさせます。が、この曲は三部作の一つとなっているようで、再殺部隊→リテイク→トゥルーロマンスの順に物語が進んでいき、ラストはハッピーエンドになっています。3曲をまとめた動画はこちら

チェインギャング / THE BLUE HARTS

国宝レベルのパンクバンド「THE BLUE HARTS」の「チェインギャング」。
ギターの真島昌利が歌うこの曲は、2枚目のアルバム「YOUNG AND PRETTY」に収録されました。ネガティブな歌詞に加え、真島昌利の痛々しいしゃがれた歌い声が胸に突き刺さった若者も多いと思います。また甲本ヒロトが合わせてくる力強いコーラスもいいんですよね。
浮気ばかりして家庭を大事にしなかった父親のせいで、母親が傷ついて苦しんでいる姿をずっと見ていた子どもが親に向けてこの曲を歌ったとしたら、どんな気持ちでいれるんだろう。

ディズニーランドへ / Blankey Jet City

「Blankey Jet City」の2ndアルバム「Bang!」に収録された「ディズニーランドへ」。
とても人気の高い曲で、ベストアルバムに収録されたり、ライブでも定番になっていたりしますが、この曲は胸を抉るようなエピソードが赤裸々に語られています。一見、女の子が好きになりそうな可愛らしい曲タイトルなのですが、「ノイローゼになってしまった」という何とも言えない歌い出しから始まって、人物の胸の内が明かされていきます。この曲で盛り上がるってのも考えたら変なんだけど、とにかく凄い曲だと思います。

僕たちの失敗 / 森田童子

レジェンド級のシンガーソングライター「森田童子」の「僕たちの失敗」。
1976年にシングル曲として発売され、2ndアルバム「マザー・スカイ=きみは悲しみの青い空をひとりで飛べるか=」に収録された曲ですが、1993年に放送されたドラマ『高校教師』の主題歌に起用されたことにより再び脚光を浴び、広く知られることとなりました。この曲を聴くと、キラキラと輝く時を過ごした光景と、薄暗い部屋の光景が思い浮かびます。誰かを責めるわけでもなく、後悔すらも通り超えるような達観した悟りを感じさせますね。

おわりに

人生がキラキラ輝いていて、毎日が楽しくて楽しくて仕方がないって人にとっては、まるで興味のないまとめになっていると思います。人は、自分の精神状態に近い曲を好むと言われていますが、したくもない気持ちの上げ下げってしんどいからなんだと思います。

楽しい気分の時に、なんでわざわざ暗い気持ちにならないといけないんだよ!って時や、落ち込んでいる時にポジティブを押し付けられるとウザく思ったりしますよね。

自分の心のテンションに合わせて、いっときの孤独を和らげるためにこういう曲を聴いてみるのも良いと思います。