We Are Chaos / マリリン・マンソン(Marilyn Manson)を聴いた感想(全曲ここで聴けます)

We Are Chaos

こんにちは。テラサキマサキです。

先月マリリン・マンソンのNEWアルバム、「We Are Chaos」を買いました😀

マリリンマンソンは初期作品の頃から敬愛するアーティストなんですが、本作「We Are Chaos」は異質でとても良かったのでアルバム一枚まるごと感想なんぞを書いてみましたよ。

YouTubeの公式チャンネルのYouTubeリンクも添えたので、気になった人はぜひ聴いてみてください。

アルバム総評

Fuckやmotherfucker等の表現が強い単語が多用されておらず、全体的にドラマティックな展開を楽しめるアルバム。激しいロックソングを求めている人には物足りないのかもしれない。けれど、この盤には毒を持ったマンソンならではの「癒し」を感じる。それほどに聴きやすく、しっとりと体に入ってくる作品だと感じた。

ロック度
2
ドラマティック感
5
中毒性
3

1.RED BLACK AND BLUE

曲の出だしはマンソンのMCから始まり、何やら世界が混沌に落ちていくのを傍観視しているような雰囲気が漂う。

タイトルでもある「レッド、ブラックとブルー」と聴くと「血と青アザ」を連想するけれど、歌詞では「Red black and I’m blue」となっている箇所もあるので、黒と青は1つではなくそれぞれ単体の何かということが分かる。

この曲のように、マンソンの曲は、この色がどういう意味を持っているんだろう?っていうような考察できるミステリアスな要素が散りばめられているのも魅力だったりする。

3分50秒あたりからメロウなサウンドになって4分26秒から「Cuz I’m」で戻るのがカッコいいですね。

2.WE ARE CHAOS

アルバム2曲目にして唐突なエンディングを向かえた感覚に捉われる。

おれたちが病んでるって言うなら

おまえの薬をよこせ

どこかへ消えてほしいと願っているんだろうが

一度「死」を吸い込んでみろ

他のすべては香水のように感じるから

歌い出しのこの和訳だけで最高。個人的絶頂を迎える。

アルバムタイトルにもなっているこの曲は、初期の頃のマンソンからは想像できないキャッチーなサウンドになっているけれど、昔からのマンソンを聴いてきている人はマンソンの辿り着いた集大成と思えるのではないかと思う。

3.DON’T CHASE THE DEAD

イントロではKISSを思わせるような悪魔君臨のような堂々たるハードロックを感じた。
ミドルテンポのドラムに、マンソンの歌うメロディが乗るサビはとても心地のいい黒い渦に堕ちていくような感じである。

死者を追いかけるな さもないと次は追われることになる

まるで死に魅了される連鎖を止めたいような曲でもあるのかなぁと思った。最近、芸能人の自殺報道が続いているけれど、少しそれを連想してしまう。そう考えると、DON’T CHASE THE DEADが切ない曲のように聴こえる。

4.PAINT YOU WITH MY LOVE

アメリカンドラマを感じさせるようなドラマチックなコーラスとメロディが印象的。
それもそのはず、和訳を読んでみるとれっきとしたラブソングだった。

だからわたしの愛でおまえを彩ろう

わたしの愛で わたしの愛で

これは終身刑じゃなく

おまえに捧げる死の夢だ

マンソンのこういう表現がたまらないなぁ。

マリリンマンソンが歌うラブソングと言えば、「THE LOVE SONG」という曲名で銃に対する愛を歌っていたりして、マンソンのラブソングは一筋縄ではいかないことを改めて実感。

5.HALF-WAY & ONE STEP FORWARD

マンソンでは珍しいピアノから始まる曲。

半分まできた あと一歩だ

引き返せない地点を過ぎるまで

半分まできた あと一歩だ

引き返せない地点を過ぎるまで

マンソンの曲はどれも意味深で、後に引けなくなる一歩の瞬間と重要性を再認識させてくれる曲ですね。それが自害のことを歌っているのかは受け取り方次第で、自分としてはそれを考えてしまった。

ラストのサビとメロが重なる部分も良き。

6.INFINITE DARKNESS

イントロの歪んだ音を抜けると、暗黒の霧がかった空間を漂っていくような感じのサウンドが広がり、マンソンのささやくようなデスボイスが歌い出される。

この曲は構成が面白くて、1回目のAメロ・Bメロのサウンドと、2回目のAメロ・Bメロのサウンドを敢えて変えているところや、サビ「You’re dead ~」の後に2つめのサビ「Black is real ~」が流れるという2段構えのサビが用意されており、曲終盤でサビと思われていた「You’re dead ~」が囁き声で歌われる本サビ前の引き立て部分に変化するという捻りが施されている。そんな曲構成が違和感なく進行していて、聴けば聴くほど聴き応えのある曲である。

7.PERFUME

初め、ルックアットミー×3セイテン
かと思って聴いてたんだけれど「Get bihind me ×3 satan」でした😂
サタンやデビル、スーパーマンなんかの単語も登場し、一昔前のマリリンマンソンらしさを感じさせる曲です。

曲の長さが3:33で、リピートして2回聴くと6:66の長さになるのも狙ってたりするのかな。

8.KEEP MY HEAD TOGETHER

リズミカルなドラムに重いギターサウンドが乗っかるロック色の強い曲。また、マリリンマンソンの曲では珍しいギターソロも20秒ほど用意されている。

途中、ギターリフを8分~10分ほど繰り返してライブパフォーマンスに使われそうな気がする(the Last tour on earth の Lunchbox のような感じで……)。
1:20辺りからのギターリフのケツが変化し、1:26辺りで半音上げる曲展開の合図に応用されていそう。ライヴでかなり盛り上がりそうな曲。

9.SOLVE COAGULA

悲劇をまとい苦悩に満ちたダークファンタジーな雰囲気を味わえる曲。静かに展開していく堕ちたスーパーヒーロー感がカッコいい。

I’m not special (おれは特別じゃない)

I’m just broken (壊れてしまった)

And I don’t wanna be fixed(だが修復を望んではいない)

呪文のように繰り返されるこのフレーズも退廃的ではあるものの、闇の中でひっそりと生き続ける念のような力強さがあって痺れる。

10.BROKEN NEEDLE

WE ARE CHAOSのラストソング。

アンチクライストスーパースターのMan That You Fearのような、メカニカルアニマルズのThe Last Day On Earthのような、ザ・ハイ・エンド・オブ・ロウのRunning To The Edge Of The Worldのような、アルバムを締めくくるのに相応しいトラック。

考えてみたら、マリリンマンソンはそういったドラマティックな曲は昔から作っていたな……と改めて認識させられた。

おわりに

記事の冒頭でマリリン・マンソンは初期から好きというようなことを書いていたのですが、実はここ数年の間はマリリン・マンソンから離れてしまっていました😅

どのくらい離れてしまっていたかと言うと、2009年頃に8枚目のアルバム「The High End Of Low」をネットで軽く聴いたのが最後なので、もう10年も聴いていなかったことにビックリ😂

今回「We Are Chaos」を購入して、改めてマリリンマンソンを聴くとやっぱり彼は凄い❗と思いました。
思えばマンソンメンバーの脱退や加入、トラブルが続いていたことに少しがっかりしてしまっていたのかもしれないです。その出来事からも数年たって記憶から薄れてきたこの頃、またマンソン作品に触れることができたことが嬉しいと思っていたりします。

これからもマンソンライフを送ろう。